平成14年1月から運用が始まったiDeCoですが、前回改正されたのは平成29年でした。
その改正により公務員もiDeCoに加入することができるようになりました。
そして昨年、再度iDeCoの改正が行われました。
今回はその改正内容についてまとめていきたいと思います。
iDeCo改正の背景
令和2年5月の通常国会において、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」というものが成立しました。
改正の背景については、”高齢者の雇用の長期化により、高齢期の経済基盤の充実を図るため”ということのようです。
少し前までは60歳で定年を迎え、退職するのが当たり前でしたが、ここ数年、定年後も会社に残り、再任用職員やパートタイマーとしてお仕事を続けてくださる先輩方が増えていると実感しています。
雇用の長期化による年金受給の後ろ倒しに対応していくための改正ということが言えると思います。
改正点①iDeCoの加入可能年齢が拡大
令和4年5月より、基本的にどなたでも条件を満たしていれば65歳になるまで加入することが可能になります。
現在のiDeCo加入条件は、60歳未満の公的年金被保険者です。
これが改正後は65歳未満の公的年金被保険者及び、公的年金に任意加入している海外居住者に拡充されます。
改正前 | 改正後 | |
第1号被保険者 | 60歳未満 | 65歳未満 |
第2号被保険者 | 60歳未満 | 65歳未満 |
第3号被保険者 | 60歳未満 | 65歳未満 |
海外居住者 | 加入不可 | 65歳未満 |
○第1号被保険者・・自営業者、農業・漁業者、学生及び無職の方とその配偶者 ○第2号被保険者・・厚生年金や共済組合等に加入している会社員や公務員 ○第3号被保険者・・年収130万円以下の第2号被保険者に扶養されている配偶者
5年間拠出できる期間が長くなったのは、大きな改正ポイントだと思います。
- 長く運用ができる
- 拠出額の所得控除が引き続き受けられる
- 老後資金の積み増しができる
などなど多くのメリットがあります。
改正点②企業型確定拠出年金加入者のiDeCo加入条件の緩和
現在、企業型確定拠出年金に加入している方がiDeCoに加入するためには、各企業の労使の合意が必要だったため、ほとんどの方がiDeCoに加入できていませんでした。
しかし、これについても令和4年10月より、条件を満たしていれば労使の合意なく加入することが可能になります。
加入条件を表にまとめます。
企業型確定拠出年金+iDeCo | 企業型確定拠出年金+確定給付型年金+iDeCo | |
企業型確定拠出年金の事業主掛金(①) | 55,000円以内 | 27,500円以内 |
iDeCoの掛金(②) | 20,000円以内 | 12,000円以内 |
①+② | 55,000円以内 | 27,500円以内 |
企業型確定拠出年金に加入者が掛金を上乗せするマッチング拠出とiDeCoの併用は出来ませんが、それ以外であれば、掛金を調整することでiDeCoに加入することが出来ます。
改正点③iDeCoの受給開始時期の上限が75歳に延長
現在、iDeCoの受給開始時期は60歳〜70歳になるまでの間で選択することが可能ですが、令和4年4月より、60歳〜75歳になるまでの間で選択することが可能になります。
これは、雇用の長期化による年金受給開始が後ろ倒しされる可能性が高いことによる改正と思われます。
僕の意見としては、75歳まで上限が伸びたことで単純に運用期間を伸ばすことができるし、受け取るタイミングの選択肢が増えたことでより、iDeCoが使いやすくなるのではないかと感じます。
まとめ
iDeCoの改正内容についてまとめました。
今回の改正はすべて僕ら利用者にとってプラスな内容でした。
特に、5年間も拠出期間が伸びたこと、75歳まで受給開始上限が延長されたことがとても素晴らしい改正点だと思いました。
みなさんも資産形成のために今から愚直にコツコツ拠出していきましょう!
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